地震は予期せぬ形で私たちの生活環境に影響を与え、特に建物にとっては大きなリスクをもたらします。
その中でも、地震による壁のクラックは見た目の問題だけでなく、建物の安全性にも関わる重要なサインです。
本記事では、地震による壁のクラックの種類と特徴、そしてその予防・対策方法をわかりやすく解説します。
□クラックの種類とその特徴
外壁に引き起こされるクラックには、その形状や原因によっていくつかの種類があります。
ここでは、主なクラックの種類とそれぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
1:構造クラック
構造クラックは、0.3mm以上の幅と5mm以上の深さを持つクラックで、建物の構造自体に影響を与える可能性があります。
主に地震による強い揺れが原因で、建物に大きな負担がかかることで発生します。
この種類のクラックは、建物の耐久性に直接関わるため、特に注意が必要です。
2:ヘアークラック
外壁の塗膜が劣化することで発生するのがヘアークラックです。
このクラックは0.3mm以下の細さで、髪の毛のように細いことからこの名前がつけられました。
主に雨風や紫外線にさらされることによる外壁材の劣化が原因で、見た目の問題が主となりますが、放置すると水漏れの原因にもなり得ます。
3:乾燥クラック
湿式工法で施工された外壁において、材料の乾燥過程で収縮が生じることによって発生するのが乾燥クラックです。
このクラックは、施工後の早い段階で発生しやすく、完全に乾燥すると進行は止まります。
しかし、発生したクラックを放置すると、建物の美観を損ねてしまいます。
4:縁切れクラック
湿式工法による施工中、工事が中断し、その後再開した場合に発生する可能性があるのが縁切れクラックです。
施工の中断により、壁材の接合部の継ぎ目がでこぼことしてしまい、そこからクラックが発生します。
この種類のクラックも、建物の美観に影響を及ぼす可能性があります。
□地震によるクラックへの対処法
地震によって発生したクラックへの対処法は、クラックの深刻度によって異なります。
ここでは、ひび割れのレベル別に具体的な対処方法とその費用相場について説明します。
*レベル1のクラック
0.5mm以下の細いクラック、いわゆるヘアークラックには、コーキングや補修材を使用して修復します。
比較的簡単に補修可能で、費用も数千円から数万円程度と手頃です。
このレベルのクラックは、外壁塗装の際にも同時に対応できます。
*レベル2のクラック
0.5mm以上のクラックは、構造に関わる可能性があるため、より専門的な対応が必要です。
コーキングやモルタル左官などで補修を行いますが、場合によっては耐震補強が必要になることもあります。
費用は補修方法や範囲によって異なりますが、数万円から数十万円程度が相場です。
*レベル3のクラック
外壁全体に無数のクラックが発生している場合、大規模な外壁改修工事が必要になることがあります。
モルタル左官、外壁カバー、外壁張り替えなど、状況に応じた工事が選択されます。
これらの工事は費用も高額になるため、専門会社との相談を通じて最適な方法を選定することが重要です。
□まとめ
地震によるクラックは、その種類と特徴を理解し、適切な対処法を選択することが重要です。
構造クラックやヘアークラック、乾燥クラック、縁切れクラックなど、それぞれのクラックには特有の原因と対処方法があります。
この記事を通じて、皆さんが自宅のクラックを正しく評価し、適切な修繕を行うための知識を獲得できたのなら幸いです。
地震によるダメージに対応するためには、定期的なメンテナンスと早期の対処が鍵となります。