外壁の仕上げにモルタルを選ぶことは、その耐久性と美観に対する期待の表れです。
しかし、モルタル仕上げには多種多様な方法があり、それぞれに独特の魅力と適用シーンが存在します。
この記事では、モルタル仕上げの基本的な種類とその特徴、さらにはそれらを活かしたデザインアイデアについて解説します。
ご自宅の外壁に最適な選択をするために、ぜひこの記事をお役立てください。
□モルタル仕上げの種類とその魅力
モルタル仕上げは、左官職人の手によって一つひとつ丁寧に施工されます。
種類ごとに材料と仕上げ方が異なり、それぞれ独自の魅力を持っています。
この多様性が、デザインの幅を広げる要因となっているのです。
1:金鏝押さえ仕上げ
金鏝押さえ仕上げは、その滑らかな表面で知られています。
金属のコテを使用し、モルタルを均一に仕上げることで、内外装問わず幅広い応用が可能です。
この技法では、漆喰や珪藻土などさまざまな材料を使用でき、それぞれの材料に合わせた最適な押さえ方で、素材本来の美しさを引き出します。
2:刷毛ひき仕上げ
ザラザラとした質感が特徴の刷毛ひき仕上げは、滑りにくさが求められる屋外スペースに適しています。
特に雨天時の安全性を高めるために、エクステリアのアプローチや駐車場に採用されることが多いです。
室内装飾にも使用され、独特の荒々しさが空間に深みを与えます。
3:引っ掛け・叩き落とし仕上げ
この技法は、表面に特殊な器具を用いて模様を作り出します。
陰影を生み出すこの荒々しさが、空間に独特の個性をもたらします。
室内外の壁面に適用され、その表情は見る角度によって異なる印象を与えます。
4:洗い出し仕上げ
洗い出し仕上げでは、化粧石の自然な美しさを前面に出します。
使用する化粧石の種類によって、様々な表情を実現できるのが特徴です。
主にエクステリアに採用され、デザイン性の高いアプローチや土間仕上げに使われます。
5:研ぎ出し仕上げ
研ぎ出し仕上げは、化粧石を削り出してその断面を見せる技法です。
自然石の風合いを活かした仕上げで、耐久性と美観を兼ね備えています。
しかし、施工には高度な技術と時間が必要とされるため、現在では少なくなっています。
□モルタル仕上げのメンテナンスのコツ
モルタル仕上げの美しさを長期間保つためには、適切なメンテナンスが欠かせません。
ここでは、「塗装」と「部分補修」、これら2つの主要なメンテナンス方法をご紹介します。
*塗装
モルタル外壁のメンテナンスで、最も一般的な方法は塗装です。
外壁を水から守り、建物を長持ちさせるためには、築年数に応じた適切なタイミングでの塗り替えが推奨されます。
特に築7〜10年ごろが目安です。
また、モルタル特有の質感を保ちたい場合は、骨材入りの塗料が適しています。
*部分補修
細かなひび割れや剥がれが発生した場合は、部分的な補修が有効です。
外壁内部への水の浸入を防ぐため、早期の対応が重要となります。
DIYでの補修も可能ですが、仕上がりを重視する場合はプロへの依頼をおすすめします。
□まとめ
この記事では、モルタル仕上げの種類とその特徴、そして適切なメンテナンス方法について解説しました。
それぞれの仕上げ方法は、その工法ならではの独自の美しさと機能性を持ち、適用シーンに応じて最適な選択が可能です。
また、塗装や部分補修といったメンテナンスは、モルタル仕上げの外壁を長期間にわたって美しく保つために欠かせない工程です。
これらの知識を活用して、皆さんの外壁が末長くその美しさを保ち続けることを願っています。