「メンテナンスフリーの外壁」という言葉に魅力を感じている方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際にはどんな外壁材にも、経年劣化によるメンテナンスは必ず必要になります。
そこで、この記事ではメンテナンスフリーの外壁について解説していきます。
□メンテナンスフリー外壁の真実
「メンテナンスフリー」という言葉に騙されるな。
どんな外壁材にも、経年劣化によるメンテナンスは必ず必要になります。
ただし、メンテナンス頻度やコストを抑えられる高耐久な外壁材は存在するのです。
1:完全なメンテナンスフリーは存在しない
「メンテナンスフリー」という言葉は、ハウスメーカーや工務店の宣伝文句でよく使われますが、実際には完全なメンテナンスフリーの建材は存在しません。
どんなに高級で高性能なものでも、雨風や紫外線にさらされていれば、少なからず経年劣化は起こってしまうからです。
「メンテナンスの手間が少ない」「耐久性が高い」「保証期間中はメンテナンス不要」といった意味で使われていることが多いでしょう。
2:メンテナンスが必要な理由
どんなに丈夫な建材でも、建材同士のつなぎ目(目地)が傷んでしまうこともあります。
目地は、コーキングやモルタルで埋められていますが、これらの素材は紫外線や雨風に弱く、経年劣化によってひび割れや剥がれが発生してしまいます。
そのため、目地部分の補修は、どんな外壁材にも必要なメンテナンスと言えるでしょう。
3:高耐久な外壁材を選ぶ重要性
完全なメンテナンスフリーは存在しませんが、メンテナンス頻度やコストを抑えられる高耐久な外壁材を選ぶことは可能です。
高耐久な外壁材を選ぶことで、長期間にわたって美観を保ち、住まいの資産価値を守ることにつながります。
□メンテナンスが少なく済む外壁材3選
では、具体的にどのような外壁材がメンテナンスが少なく済むのでしょうか。
ここでは、高耐久でメンテナンス頻度が低い外壁材を3つ紹介します。
1:タイル
タイルは、石や砂などを高温で焼き固めた素材です。
水を吸いにくく汚れを弾き、紫外線劣化しにくいことから、ほぼ半永久的に使えるメンテナンスフリーに最も近い建材と言えます。
しかし、タイルを施工する際に使用する目地や下地は、有機物であるため、定期的なメンテナンスが必要です。
タイル本体は半永久的に使えると言っても、目地部分は10~20年程度で補修が必要になるでしょう。
2:樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは、塩化ビニル(プラスチックの一種)が主原料のボード状建材です。
雨や塩害、凍害に強く、原料自体に顔料が練りこまれているため、色褪せもほとんどありません。
また、一般的な窯業系サイディングのように、ボード同士の継ぎ目のコーキングがないため、コーキングの劣化によるメンテナンスが不要です。
ただし、樹脂系サイディングは、日本では扱っているところが少なく、費用も高価なのがデメリットです。
3:金属系サイディング
金属系サイディングは、アルミやガルバリウム鋼板などの金属素材でできたボード状建材です。
軽量で耐久性が高く、雨風や紫外線に強いのが特徴です。
また、金属素材は腐食しにくいため、長期間にわたって美観を保つことができます。
金属系サイディングは、近年人気が高まっており、さまざまなデザインやカラーバリエーションが展開されています。
□まとめ
「メンテナンスフリー」という言葉に惑わされず、外壁材を選ぶ際には、それぞれの素材の特徴やメリット・デメリット、メンテナンス頻度や費用などを比較検討することが重要です。
タイル、樹脂系サイディング、金属系サイディングなど、それぞれの素材には特徴があり、住まいの環境やライフスタイルに合った最適な外壁材を選びましょう。
長く住み続けられる高耐久な外壁材を選ぶことで、住まいの資産価値を守り、快適な暮らしを実現することができます。